ウイルスによる「パンデック」は想定外だったのか?
日本が現在 直面している「医療崩壊」瀬戸際が、いつまでもち堪えるのか世界が注目しています。ところで日本は「新型コロナウイルス」による「パンデック」は想定外だったのでしょうか? 日本の医療業界は是非 検証していただきたいですね!
日本でも「医療崩壊」という言葉が聞かれるようになった。やみくもにPCR検査をやりすぎると陽性患者が増え、そのうちに病床がパンクして医療崩壊を招くのだという風潮も生まれた。しかし、ここで強調しておきたいのは、病床が足りなくなることだけが医療崩壊ではないということだ。
医療崩壊の定義は、スタッフや器具など医療リソースが不足し、重症患者の治療に手が回らなくなり、医療がまひしてしまうことだ。イタリアやスペイン、アメリカなど諸外国では医師・看護師などが次々と感染し、これが起こってしまった。もともと医師の不足が課題となってきた日本において、本当に怖いのはこっちだ。(president.jp+α)
左写真は「既に医療崩壊はそこまで来ています」(president.jp)、右写真は「感染予防の装備を着用して診察にあたる今明秀医師」( president.jp)
日本という国が「想定外の事態」という言い訳を繰り返す根本原因
「最悪」を想定しない日本の伝統!日本の官僚機構は「想定外の事態」に弱い。今回の新型コロナウイルスでも同じだ。本来、未知の病原体のパンデミックは「いつでも起こりうる事」として想定されていたはずだが、結局、右往左往する醜態を国民に晒している。
「パンデミック」が起きた場合、誰がどういう手順で学校を休校にするのか。学校長の判断や教育委員会の決定を待っていたら、全国一斉の休校は難しいし、学校ごと、地域ごとにバラバラな対応を許せば広範な地域での「封じ込め」はできない。
今回のように学校職員の感染が確認された段階で、仮に1日で判断を下すとしたら、どういう手順を踏むのか。事前にまったく「想定」がされていなかったという事だろう。もし手順が明確に決まっていたなら、厚労相や厚労次官も、より説得力のある対案を首相に示せたろうし、首相も耳を傾けたろう。それでも首相が蛮勇をふるって強硬策を取ろうとすれば、事務次官は職を賭して反対することもできたはずだ。(President online、磯山)
新型コロナ最悪シナリオを8年前に想定したドイツの危機管理
メルケル政権が採用した外出・接触制限令は高く評価されている(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)、右写真は「衆院予算委員会の冒頭、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国の小中高校の臨時休校について発言する安倍晋三首相(中央)」(2/28、国会内
今回の新型コロナ危機では、ドイツの対応が世界の注目を集めている。ジョンズホプキンズ大学によると、ドイツの新型コロナウイルス感染者数は約14万5000人と、欧州で3番目に多い(4月20日時点)。だが同国の死亡率は3.2%と、フランス(12.8%)、イタリア(13.2%)、英国(13.3%)、スペイン(10.3%)などに比べて大幅に低い。死亡率が低い理由は、同国の「パンデミック迎撃態勢」が他国に比べて整っていたことだ。
たとえばドイツには今年3月初めの時点で、人工呼吸器付きの集中治療室(ICU)が2万5000床あった。これは欧州で最も多い。ドイツの人口10万人当たりのICUベッド数は29.2床で、イタリア(12.5床)やスペイン(9.7床)を大きく上回っている(日本集中治療学会によると、日本は5床)。シュパーン連邦保健大臣が4月17日の記者会見で明らかにしたところ、ドイツのICUベッド数は、約4万床に達している。
左写真は「外出自粛を守るドイツ人」(courrier.jp)、右写真は「ドイツは死者のPCR検査はしていない!」(slidennews.net)
またドイツでは当初から1日5~6万件のPCR検査を行う態勢を持っていた。日本とは異なり、検査数を増やすことによって感染者と濃厚接触者を迅速に隔離する戦略だ。英オックスフォード大学が運営する統計ウェブサイト「データで見る我々の世界(OWID)」によると、ドイツのPCR検査の累積数は4月12日時点で約173万件と欧州で最も多い。イタリア(約131万件)、英国(約37万件)、フランス(約46万件)、日本(約17万件)に大きく水をあけている。(4/21 熊谷徹、日経ビジネス)
「8年前に想定されていたパンデミック危機」
ドイツでは、なぜパンデミックに対する備えが比較的整っていたのか。それは、ドイツ連邦政府とウイルス学者たちが、未知のコロナウイルスにより多数の死者が出る事態を8年前にすでに想定していたからだ。彼らは、最悪のシナリオがもたらす被害の想定を文書として公表し、地方自治体や医療界に準備を整えるよう要請していた。
歯科医もPCR検査の検体採取へ 厚労省、時限措置で認める方針
新型コロナウイルスの感染を確かめるPCR検査を拡充させるため、厚生労働省は歯科医師も検査を行えるようにする案を示しました。
患者の鼻やのどから検体を採取することは、現在、歯科医師が行える「歯科医師業」の範囲を超えると位置づけられていますが、特例的な対応として認めるということです。緊急事態宣言が出されるなど感染が広がる状況に限って、医師などの確保が難しくなった場合に、必要な研修を受けた歯科医師が患者の同意を得て実施するとしています。(