世界の感染者数340万人上回る、
米国は112万人、死亡者6万5千人超
世界の新型コロナウイルス感染者数は340万人を上回り、死者数は24万2000人に上った。米国での感染者数は2日に3.2%増えて計112万人、死亡者は6万5千人を超えた。米ジョンズ・ホプキンス大学とブルームバーグ・ニュースの集計データで示されたもので、増加率は過去1週間の平均2.9%を上回った。(5/3 bloomberm、Yahoo Japan )
今まで中国・欧米諸国の「コロナ禍」を掲載してきたが、今回は南米・アフリカ等後進国の状況を調べました。
● ブラジルが5万人超、南米の感染拡大が深刻化
「国民7割 新型コロナ感染、どうしようもない!」
ブラジル大統領、経済再開呼び掛け
ブラジルの感染者数が5万人を突破して5万2995人となった。感染が拡大しているエクアドルでは2万2719人に急増し、ペルーもに2万人超。 南米では発生状況の把握が遅れていることもあり、さらに深刻な感染状況が予想される。(4/25 nippon.com)
隔離措置による失業者増大を最も懸念するボルソナロ大統領は「(感染は)今日でなければ来週、来月だ。これが現実だ」と強調。「高齢者や健康に問題のある人はケアするべきだ。ただ、われわれは働かなければならない」と経済活動再開を訴えた。
大統領の発言を受け、最大都市サンパウロでは大統領支持者らが車やトラック、バイクを連ねてデモ行進。ボルソナロ氏と対立して隔離措置を進めるサンパウロ州のドリア知事辞任を求めた。(4/19 JIJI.com)
左写真は「軍とはべったりのボウソナロ大統領、相変わらずマスクは着けない」(Marcos Corrêa/PR)、右写真は「経済再開を唱えるボルソナロ大統領を支持するデモ隊」(18日 サンパウロ、JIJI.com)
ブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領は先月28日、新型コロナウイルスにより同国で5000人以上が死亡した事実に関して記者から質問を受けた際、「だから何だ? すまん、私にどうしろと言うのだ?」ボルソナロ氏はそう答え、自身のミドルネームはメシア(Messiah、イエス・キリスト)を意味するメシアス(Messias)だが、「私に奇跡は起こせない」と冗談を飛ばした。(afpbb.com)
左写真は「ブラジル・ブラジリアで、隔離措置とソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)に抗議するデモに参加するジャイル・ボルソナロ大統領」(4/19 (c)Sergio LIMA / AFP、afpbb.com)、右写真は「サンパウロ市内で隔離政策に反対し、大統領を支持するデモ隊」(jiji.com)
● 南米エクアドルの新型コロナウイルスの状況
南米エクアドルの当局は12日、同国で新型コロナウイルス流行の中心地となっている港湾都市グアヤキルの家々から、警察などがここ数週間で800人近くの遺体を収容したと発表した。同地では感染拡大が、救急サービスや病院、葬儀業者の対応能力を超えてしまう事態となっている。
グアヤキルの葬儀業者らは埋葬が間に合っておらず、住民たちは路上に放置されている数々の遺体を撮影し、ソーシャルメディアに投稿。埋葬の支援を求めるメッセージを発信した。(AFP、jiji.com)
左写真は「エクアドル・グアヤキルの診療所前で、3日間放置されているとされる遺体を見つめる男性」(4/3 (c)Str / Marcos Pin / AFP、afpbb.com)、右下写真は「エクアドル・グアヤキル郊外にある共同墓地でひつぎを埋葬する作業員ら」(JIJI.com)
●コロンビア 新型コロナで受刑者4千人釈放
南米コロンビア政府は15日、新型コロナウイルスの感染拡大阻止のため、各地の刑務所に収監されている受刑者約4000人を一時的に釈放し、自宅で軟禁下に置くと発表した。一時釈放の対象は重病患者ら健康に不安があり、比較的軽い罪で服役している受刑者。殺人や麻薬取引、人道犯罪などの重罪を犯した囚人は除外される。ドゥケ大統領は「ウイルスに最も弱い人々に対する人道的措置」としている。
コロンビアの刑務所は慢性的に過密状態で環境は劣悪。首都ボゴタの刑務所では3月下旬、新型ウイルス対策を求める受刑者が暴動を起こし、23人が死亡していた。同様の措置はチリでも実施される予定。(4/16 サンパウロ JIJI.com)
●チリにおける新型コロナウイルスの現状
日本時間9日(木)現在の、チリにおける新型コロナウイルスの感染者は5,546人、死者数は48人に上っています(米ジョンズ・ホプキンズ大学調べ)。チリ政府は国家非常事態宣言を発令するとともに、手洗いの徹底を指示しています。
チリ政府は国家非常事態宣言を発令するとともに、手洗いの徹底を指示しています。しかし干ばつにあえぐチリ中部では、手を洗うための十分な水がありません。伝えられるところによると、40万世帯の150万人が、給水車から供給される1日50リットル以下の水で生活をしているそうです。日本人が一日に必要とする水の量は、200~300リットルですから、その4分の1から6分の1の量にあたります。(4/9 NEWS Yahoo)
●アフリカにおける新型コロナウイルスの状況
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、当初は世界の豊かな国を襲ったが、拡大するに従ってアフリカでの感染者も急増している。人口12億のアフリカ大陸で初の感染者が出たのは2020年2月14日だが、場所はエジプトだった。しかし、わずか2カ月足らずで、新型コロナウイルスはアフリカ大陸全域に広がった。
5月3日時点の、アフリカにおける感染者数は42,713人。死亡者数は1,754人。回復者数は14,152件となっています。
左写真は「市場でマスクを着用する人々(17日、ルワンダ・キガリ)」(ロイター、nikkei.com)、右写真は「感染防止で手を洗う子供」(prtimes.jp)
最も感染者が多い国は南部アフリカの南アフリカ(6,336人)。南部アフリカのレソトは、未だ感染者0人です。死亡者数が多いのは北部アフリカのアルジェリア(459人)ですが、感染者は存在しても1人も死亡者を出していない国も、ルワンダ、ウガンダ、マダガスカルなど10ヵ国あります。(アフリカ疾病予防管理センター、Yahoo Japan)
南アフリカは3月末に外出を禁止する「ロックダウン(都市封鎖)」を始めたほか、ケニアも首都ナイロビへの入境を禁止した。ナイジェリア最大都市のラゴスでは競技場を感染者の隔離施設として利用し始めた。ただ、こうした対策をとったのは一部の国にとどまる。
左写真は「人口約25万人のスラム街キベラで今年3月末、激しい雨に降られて足を速める人々」(PHOTOGRAPHS BY NICHOLE SOBECKI、natgeo.nikkeibp.co.jp)、右写真は「外出制限に各国とも二の足を踏む!」(saga-s.co.jp)
「感染が報告された数だけでも、ケニアの対応能力をすでに超えてしまっています。感染者がもっと増えれば、人が路上で死ぬような事態になるでしょう」と、ある救急救命士は話してくれた。
ケニア社会の極端な格差は、世界でも例を見ない。5300万人の人口の0.1%以下が、その他の99.9%よりも多くの富を所有する。スラム街の人達は、手指消毒液やマスクなどは高すぎてとても手に入れられる代物ではない。こんな状態で自宅待機など、選択肢にはならない。「どうやって毎日食べていけというんです。私たちのどちらかが病気になってしまったら、どうなるんでしょう」と。(natgeo.nikkeibp.co.jp)
左写真は「ナイロビのジョモ・ケニヤッタ国際空港から隔離施設へ乗客を運んだバスを消毒する保健省職員」、右写真は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を抑えるため、救急救命士、消防隊員、ソンコ・レスキュー隊のボランティアがナイロビ中央ビジネス街の消毒作業に当たった」 (PHOTOGRAPHS BY NICHOLE SOBECKI、natgeo.nikkeibp.co.jp)
アフリカで感染拡大!中国の影響力も拡大!
ドイツメディア「ドイチェ・ヴェレ」によると、アフリカ各国で、マスク、換気装置、防護服を詰めた中国からのコンテナの到着が報告されているという。このうち、エチオピアとブルキナファソでは中国人医師がアドバイザーとして活動している。電子商取引(EC)最大手アリババグループの創業者、馬雲氏と同氏の財団は、ルワンダやカメルーンをはじめとする多数の国に多額の寄付を送っている。
ロンドン大学東洋アフリカ研究学院のスティーブン・チャン教授(政治・国際関係)はドイチェ・ヴェレに対し「中国が供給するのは、すべてアフリカに足らないもの」と分析する。アフリカ側には選択肢がなく、新型コロナウイルス危機を乗り切るには、これまで以上に、中国と緊密な関係を維持することを余儀なくされる、とみている。