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東京五輪、経費1.64兆円に 森会長「理屈ついてる」
来夏(今夏)に延期された東京五輪・パラリンピックで、延期に伴う費用や新型コロナウイルス対策にかかる追加経費は2940億円となり、大会経費は現時点で総額1兆6440億円に達する見通しになった。経費を分担する国、都、大会組織委員会が12月4日、合意した。
橋本聖子五輪相、小池百合子都知事、組織委の森喜朗会長が会談した。追加経費の内訳は、延期に伴う人件費などの延期経費が1980億円、コロナ対策費が960億円。負担額は都が1200億円、組織委が1030億円、国が710億円となる。
経費の総額でみると、都が7170億円、組織委が7060億円、国が2210億円を分担する。森会長は追加経費の規模について「きちんと理屈がついている。国民の皆さんにご理解を頂きたい」と述べた。(2020年12月4日朝日デジタル)
東京五輪の開催費、過去最高に 英オックスフォード大の調査
オックスフォード大学の計算によると、東京オリンピックの大会費用は158億4千万ドル(約1.7兆円)で、夏季大会として過去最高額とされていた2012年ロンドンオリンピックの149億5千万ドル(約1.6兆円)をすでに上回っている。1年間の延期を受け、その分の費用としてさらに数十億ドルが上乗せされると予測する。
東京大会組織委員会の公式発表によると、現在の支出額は126億ドル(約1.3兆円)。しかし国の監査役は、実際の費用はその2倍(約3兆円)にのぼると言う。この数字には、オックスフォード大学が大会ごとに一定ではないとして、除外した費用も一部含まれている。東京都は2013年に誘致を勝ち取った際、大会費用は73億ドル(約7500億円)の見込みと発表していた。('20,9/15 newsphere.jp、表はwiki2020.org)
昨年 7月 時点での開催費用
パラリンピックを含めた東京大会の開催費用は招致段階から増え、1兆3500億円となっていましたが、延期によって、競技会場を確保し続けるための費用や、数千人もの組織委員会の職員を維持する人件費などが発生し、その追加費用は3000億円にのぼるとの見方もありました。IOCと組織委員会、開催都市の東京都などの間での取り決めでは、組織委員会が赤字となれば東京都、そして最終的には政府が負担することになっています。組織委員会の収入で最も大きいのは、スポンサー料の3480億円ですが、スポンサー企業およそ80社との契約は、本来オリンピックが終わるはずだった昨年12月31日で一応切れました。こうした企業の業績自体も、感染拡大によって影響を受けている上、「大会が開かれる」という確信がないとスポンサー契約を延長する判断は難しくなります。延期に伴い、IOCはおよそ700億円の追加支援を表明していますが、東京都や政府も新型コロナウイルスへの対策で財政は厳しい状況で、今後は組織委員会とスポンサーとの契約延長を含め、財政面での調整が大きな焦点になると思います。
簡素化は「総論賛成、各論反対」か
そこで急がれているのが大会の簡素化への取り組みです。昨年11月10日、組織委員会とIOCは、感染予防対策とコスト削減の検討を進めることで合意し、200をこえる項目にA、B、Cの優先順位をつけて簡素化の検討を進めています。この中には、観客数の削減や開会式の規模を縮小すること、また、IOC委員に向けたサービスの見直しなどがあげられていますが、史上初めての延期を受けた簡素化の検討だけに、まだ思い切った案が出るところまでは至らず、大会関係者からは「総論賛成、各論反対のような状況だろう」との声も聞かれます。簡素化を象徴すると思われる「無観客」での大会はどうなのか。およそ900億円が見込まれる組織委員会の入場料収入はなくなりますが、そのぶん仮設スタンドの設置や会場での警備費用などを大幅に抑えることができ、感染予防の面からも有効だという指摘があります。ただ、選手からはスタンドからの声援でよりよいパフォーマンスが発揮できる、という意見も根強く、大会関係者も、盛り上がりにかけてしまうのではないか、と危惧する声が出ています。昨年6月15日には、IOCのバッハ会長も、無観客での開催を「望んでいない」と述べました。大会の簡素化に向けても、組織委員会は難しいかじ取りを迫られています。
オリンピック依存の体質も背景に
ではなぜ、開催を巡る判断が難しいのでしょうか。様々な思惑だけではなく、オリンピックの開催で得た収入が世界のスポーツ界に再分配される仕組みがあることも理由のひとつだと思います。IOCによりますと冬のソチ大会と夏のリオデジャネイロ大会を含めた2013年から2016年までの4年間で、収入はアメリカのテレビ局などからの放映権料とスポンサー料を中心におよそ6100億円にのぼります。そのうち90%は200以上ある各国・地域のオリンピック委員会や国際競技団体に分配され、世界のスポーツの普及やアスリートの支援に使われているとしています。独自のプロリーグを持たなかったり、競技人口が少なかったりする競技団体は、こうしたオリンピックをベースにしたIOCからの分配金に、財政的に大きく依存しているところも少なくありません。例えばセーリング競技の統括団体、ワールドセーリングでは、IOCからの分配金は4年でおよそ17億円、この期間の予算の実に45%にあたります。オリンピックは80年代以降、商業主義にかじを切ってトップ選手の参加をうながし、巨大なスポーツビジネスになりすぎてしまったという批判もありますが、このモデルによって、世界のスポーツ界が財政的に支えられてきたのも事実です。ただ今回の事態を受けて、競技団体やアスリートをどう支援していくか、今後はオリンピックに依存しすぎない新たな仕組み作りも必要ではないかと思います。
(以上 昨年 7/22「NHK 解説委員室 時論公論」の抜粋・年の修正、nhk.or.jp)
金額が巨大すぎて、小生にはよく理解できません!
次回は、今回表現された「スポンサー契約」について掲載しまvす。