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自動車産業を振り返る!(4−3)

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此処で「バンパー」について説明させてください。

「バンパー」(Bumper)は、英語で衝撃や振動を和らげる装置のことです。素材自体の弾力性やバネを利用して衝撃を吸収・緩和する。自動車以外にも機械部品や運送用機器などに取り付けられる物をいいます(Wikipedia)。今回は車の「バンパー」についてです!

欧州では特に仏・伊のラテン諸国では、縦列駐車のスペースを空けるために、当たり前のようにバンパーで車の前後を押している。逆に押された方も出る時はまた押し出したりする。と言うように欧州では「当てるもの」だが日本では機能部品だけでなく、デザイン性を重視してきました。全く国民性の違いですねーーーーー。

「日本車のバンパーの変遷」

マイカーとして普及し始めた1960年代の車のバンパーは金属製で、その役割は主に車両同士の衝突から車体を保護するものでした。しかし 1980年代後半になるとバンパーは樹脂製と移行します。構造的には金属を芯としてその周囲にポリウレタン樹脂などを配置(ウレタンRIM)する。金属より復元性が優れているために、車両同士の衝突には、あえて凹むことで衝撃を吸収し、乗員への危害を低減する「衝撃吸収バンパー」として大々的にアピールされました。米国でもこの時代は「5マイルバンパー」と呼ばれた衝撃を吸収する機能を備えたバンパーが法律で決められたこともあった。これは5マイル(8k/h)以下の速度で衝突した時に車本体が破損しないように保護パーツを取り付ける法律です。これは保険会社からの強い要望だったそうです。

1995年頃です「本田栃木研究所」研究開発G が新しい「衝撃吸収用バンパー」の材質と構造設計の検討に入り(勿論 試作品は真空注型方式で作成)、当社にその注型用ウレタン樹脂を任されました。担当若手エンジニアから成形品の厚み(3と5mm)での曲げ弾性率・引裂強度・圧縮強度などを提示され変性ウレタン樹脂を配合していくのです。試作品の製作は関東の某試作専門メーカーで行い、当社技術員も何度も立ち会いし、約5ヶ月かけデータ取りに成功しました。試作品だけで約2tの変性ウレタン樹脂が使われたのです。そしてこのデータで製造した「衝撃吸収バンパー」が米国で認められ「「デミング賞」?の対象になったようですーーー。

2000年代になり、バンパーの役割が歩行者保護に向けられました。歩行者と衝突した場合、人への被害を最低限に抑えるために、フロントバンパーは小さくデザイン的にはフロントマスクに取り込まれる形になりました。又 衝突時の衝撃によって取付部位がたやすく破壊されることで、衝突エネルギーをボディ前半部に拡散されています。バンパー以外にフェンダーやボンネットで衝撃を吸収し歩行者だけでなく、運転者やエンジンの損傷も防止しているのです。

最近「衝撃吸収バンパー」と言わないのは、採用が一般的になり、車体構造としてボディと一体化になり、クラッシャーゾーンの概念で開発されるからでしょう。

 

注)1992年にタイに移住した I 氏は、暫くは以前に技術指導したM社(FRPメーカー)で工場長でしたが、1年後には現地法人を立ち上げました。当時のタイの自動車産業はトヨタ一辺倒から日本の全メーカーが進出、海外メーカーも含めノックダウン工場(主要部品を輸入し、現地で組み付け、販売する)が軒並み出来た頃でした。彼の会社(ハーネス類の射出成形)も時代に即応し急激に伸び、当社の材料の営業販売(殆どが日系企業)もしていたのです( I 氏はその後浮沈の末事業に成功し、億万長者になりますが別項目で載せます)。

「タイカローラのバンパーを真空注型法で製品化」

1998年頃にタイランド出張時に「タイトヨタ」から最近 日本でプラスチックパーツの試作品に採用されている「真空注型法」について現状説明を求められました。丁度持参してたカタログ・技術資料と今までの実績などをプレゼン、持っていた商品板見本を見せました。1000台限定の「カローラ」をタイでノックダウン生産、そのフロントとリアバンパーだけをタイオリジナル設計で製作し取り付け販売予定とのこと。従来のFRP材質では面白みがなく新鮮さがない!かと言って「ウレタンRIM成型法」や金型(約2000万円)を起こし「PP」や「TSOP」で生産する考えは全くないのだ(1000setのバンパーを原価2万円/set以下)。そこで我々の新工法に白羽の矢がたったのです。

そこからの動きは早かったです、日本に戻って半月位でトヨタ自動車海外C&A開発室デザイナーらと打ち合わせでした。確かバンパー形状のクレーモデル(フロント及びリアの二個)は既に出来上がっておりました。タイランドでの生産は、I 氏の居たM 社でこのビジネス一式を請け負ったのです。真空注型法の成形型は日本で作成、トライも日本でM 社長らスタッフを立ち会わせ行い、調整後に成形型・自動真空注型装置など一式でタイのM社に輸出したのです。これは試作品ではなく小ロット量産品なのです。船積み後約1ヶ月でBKKに到着、M 社新工場に全てをセットされました。私は工場に納入後 渡タイ、順調に稼働するまですべて立ち会いました。新工場にはバンパーの無い新型カローラが2台が置かれ、新作バンパーの取り付け具の調整用のようでした。又 成形品の熟成保管倉庫や焼き付け塗装ブース・乾燥ブース・製品倉庫など準備万端でした。

タイランドとは言え「世界のトヨタ」のしかもノックダウン生産の「カローラ」のフルバンパーです。1000台の小ロットですが、量産品として一般道路・高速道路を走るんです。私にとって初体験で考えると武者震いがきましたが、「タイトヨタ」の社長は平然としていました。失敗したら直ぐにFRPに切り替える段取りはつけてあったようですーーー。

当初 色々アクシデントもあったが3日後には順調に成形が出来、塗装の具合も確認し帰国しました。成形・塗装・納入に約2ヶ月かかって1000 set タイトヨタに完納したようです。このプロジェクトで、当社の特殊ウレタン樹脂は合計約10t 使われましたがこれが最後でした。以後は現地のウレタンメーカーに似たタイプの素材を半値以下で作らせたようです。

 

参考資料:「Wikipedia」(衝撃吸収バンパー)、「Carver、業界ニュース2018,130」

(今回は寒いことと色々思い出して疲れました。次回はこれから考えます。)

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