（７−１）の続で、故伊豫田康弘氏の話です。
1997年3月高校を卒業した長女が新宿の「文化服装学院」に入ることが決まり、私には関東に身内らしき人がいなかったから、彼に東京の父親代りを頼むことにした。久しぶりの電話であったが彼は快く承諾、熱海の彼の「温泉付きマンション」に娘を連れて出向き紹介した。此処は彼の別荘で文筆活動の書斎だった。その後は私が上京する都度に連絡を取り、新宿の彼の行きつけの居酒屋で飲食を共にしてたが、ある時 彼から相談を持ちかけられた。
彼は早稲田大学商学部を卒業「日本民間放送連盟」に入り、永く在籍したが主事で辞しました。その後 「常磐大学人間科学部教授」に就任し、又「放送批評懇親会」の常務理事と雑誌「放送批評」の編集長も兼任していた。だが数年して「民放連」時代の部下だった連中が、彼を担ぎ出し、「民放連」の専務理事になって組織改革してくれ！と言ってきたのだ。当時の「民放連」は旧態依然の組織で変革が求められてたようだ。「今 東京女子大学 現代文化学部の教授の話もあり、お前はどう思う？」と。私は即座に「何を悩んでおる！決まってるんじゃないか！お前は作家になるんだろーーー」「東女の先生が一番いいじゃないか！」「ーーーそうだよな！分かったよ！」そして 彼は「東京女子大学現代文化学部」の教授になりました。
仕事で上京時、時間があれば彼と連絡を取り度々西荻窪の「東女」の彼の研究室？を訪問した。大体はゼミの学生を加わり当面の社会問題とか男女問題・世界情勢や取り止めのない雑談だったが、ある時 彼にゼミ内の50分講座を頼まれた。「何の話をすればいい？」と聞くと「いつもの調子で何でもいいんだ！普通の話で充分！」と。何の話をしたか覚えていないが終わった後に、好評だったらしく彼が「おーい！来月 いつ来るかい？お前の口座をつくってやろうかーーー？」「そんなに簡単に出来るかい？」「俺はゼミ担当学部長だぞ！」ーー。
2002年頃 長女は「文化服装学院」を三年で終え、本人の希望で一年 NYCに語学留学した。（2001.9.14の多発テロの翌年に渡米、結局 今現在もNYCに住みつき、好きなデザイナーの仕事を得て、かれこれ18年になる）長女と入れ違いに次女が「明治大学法学部」に入学し、吉祥寺の「外人ハウス」に住むようになった。「東京女子大学」に近いこともあり、この次女も彼に紹介して父親がわりになってもらったのだ。この次女 性格が私に似てかアレもしたいコレもしたいのか、将来方針に迷いが出て折角入学した大学を休学、「外人ハウス」の管理人まで経験、留学斡旋学校の選択など彼に父親以上に奔走させ、すっかり面倒を掛けてしまった時期があったのだ。
2005年5月23日 東京女子大学現代文化学部教授 伊豫田康弘は急死した。私の「東京女子大学現代文化学部」の講座は幻で終わったのだーーー残念ーー。彼は最後まで「ハイライト」愛好のヘビースモーカーであり、日本酒の燗酒愛好の大酒飲みだった。全てに徹底してたのだ！「くも膜下出血？」ーー恐らく自分が早死にするかも知れんーーと思ってたカモーー？ アーメンーーーーー！
○ 「伊豫田康弘」さんの死去ネットに投稿したよ！
『バカヤロウ！ なんで死ぬんだ！ 悔しくて何も言えなかった、触れたくなかったのだ！あっと言う間に15年が過ぎ、俺も今年で74才になる。近いうちにお前の側に行くようだが、今の内に「挨拶」だけはしとくよ！ ガキの頃からの親友だから、必要なら会うし、要が無ければ10、20年位会わない時は何度かあったね！ でも会えば、いつも会ってる様に直ぐに合わせられるね！貴殿に任せた長女は、NYCに在住しデザインを職として18年になるよ！ 又 色々心配かけた次女は、数年前に東京 晴海で起業し「オーガニックシルク・コットン」でアフリカ・インドに奔走しているよ！ みんな貴殿のお陰だよ！ 本当に有難うーーーー！感謝しても仕切れないよ！』
先日 お墓に参ってきたよ！近くを通ったから手ぶらだったが、近いうちに自宅で咲いた花々を持ってまいります。
○ 彼が残した書物を紹介します。
「日本テレビ史ハンドブック」伊豫田康弘ほか（1998年：日本国民社）
『次回（７−３）は、我が旧友 故「織田 晁」の記事です。』
