先月27 日頃より豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗員の下船がやっと始まりました。約1ヶ月の経過・問題点を追ってみました。
日本の行政の弱さ・未熟さが世界に伝ったようですね!
厚労省の19日までの発表では、延べ3011人の検査で621人の感染者が見つかっていた。同船では14日間の健康観察期間が終了し、検査で陰性が確認された乗客の下船が19日から始まっている。感染者と同室だった人たちは、観察期間が継続する。同船から病院に搬送された人のうち、19日時点で重症者は死亡した2人を含め29人でうち、日本人は15人。
横浜港に停泊中の同船には当初、50以上の国・地域から乗船・乗客計3711人が乗船していた。すでに米国、オーストラリア、ニュージーランドなどがチャーター機を派遣し、希望する自国民らが下船、一部は既に帰国した。
共同通信によると、同船の感染者を受け入れた愛知県岡崎市の藤田医科大は19日夜に受け入れた25人のうち男女3人に肺炎の疑いがあり、同県内の医療機関に搬送したと明らかにした。(以上 bloomberg.co.jp の記事)
写真は、Google・SankeiBIZより(2/26 午前10時26分 横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」)
下記資料は、Google; 「論座 岩田教授」より抜粋(青字をクリックすると詳細が表示)。
神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授が2月19日、「ダイヤモンドプリンセスはCOVID-19製造機 なぜ船に入って一日で追い出されたのか」という動画をYouTubeに投稿したところ(現在は削除されていますが、書き起こしが残っています。)、国内外に大きな反響を呼び、これに対して元厚生省技官で、ダイヤモンド・プリンセス号内で実務に携わっていた沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩医師が反論し(高山氏のFB)、さらに大きな論争を巻き起こしました。
この論争のさなか、ダイヤモンド・プリンセス号の検疫の現場責任者である橋本岳厚生労働副大臣が、反論をツイートしたのち削除したことで(参照)、論争はさらに加熱したものになりました。
右写真は、Google・日経新聞より「同船から下船し、検査を受ける乗客(左奥)ら(21日)=共同」
左写真は乗員を乗せたバス(toyokeizai.com)
乗客下船も「本当に大丈夫?」と米紙は懐疑的 日本の対応はどのように報道されたか(Yahoo japan News )
「2/20 10:49 編集者 阿部かすみ(NYC在住ジャーナリスト)」
2月19日、横浜港に停泊中の大型クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセスの乗客の下船が始まった。2週間の検疫を終え、同日下船が許されたのは陰性判定だった乗客443人(3日間で計970人)とされている。
しかしアメリカのメディアは、この「佳きニュース」に水を差すムードだ。
同日付けのニューヨークタイムズ紙は*「Japan Lets Cruise Passengers Walk Free. Is That Safe?」(日本はクルーズ船の乗客を解放。これは安全なのか?)という見出しの記事を発表。下船について「世界の大部分は、安心しているとは到底思えない」と報じた。
- 現在「Hundreds Released From Diamond Princess Cruise Ship in Japan」(日本でクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスから数百人が解放)という見出しに変更されている。
陰性判定を受けたダイヤモンド・プリンセスの乗客の下船について、日本政府の見解はこうだ。
「2週間の検疫を終え、今回下船が許された乗客は最終的な検査で陰性判定が出ているのだから、下船は問題ない。公共交通機関で帰宅しても良い。」
しかし、アメリカのメディアの見解はこうだ。ウイルス検査がいつ行われたかが明らかになっていない。例えば、週末に検査を受けた人もいるが、これはさらに3日間感染の危険にさらされた可能性があることを意味する。
東京のアメリカ大使館でも16日、ダイヤモンド・プリンセス内の感染拡大について、「米保健社会福祉省は、乗客と乗組員は感染している可能性が高いと見ている」とする書簡を出し、警告していた。
楽観的な日本政府に反し、石橋を叩くアメリカの懐疑心。あなたはこれをどう捉えるだろうか。
関連記事:アメリカ当局は下船開始に先駆け、2日前の17日、チャーター2機で米国籍者を本土に移送させ、さらに14日間、米軍基地内で「完全隔離」している。
14日もの間、船内に隔離された乗客は、大切な仕事が思うようにできなかったり、家族や愛する人と会えずに辛い思いをしてきたことだろう。また狭い船内で精神的にも肉体的にもストレス数値は相当のものだったろうと察する。
だからと言ってアメリカ当局は容赦しない。さらなる14日間(合計約1ヵ月間)の隔離を、実質的に強制で決定した。ウイルス感染がもはやコントロールできないくらい蔓延することを思えば、一部の人に犠牲を払ってもらう方がマシだと考えてのことだ。
そもそもダイヤモンド・プリンセスは、中国に続く震源地だ。感染拡大を助長した何らかの間違い(隔離法、船内オペレーション、空調設備など?)のある、閉ざされた特殊な空間なのだから。
だからこそアメリカ当局は、激震地から解放された乗客をさらなる追加検疫下に置くという苦渋の決断をしたのだ。そしてこれは、アメリカだけではないことを忘れてはならない。同様にチャーター機を派遣したオーストラリア、カナダ、韓国も、陰性の乗客を、さらなる14日間の検疫下に置くとしている。
つまり「陰性判定で下船した人も、後日陽性判定になりうる可能性は否定できない」ことを意味するのではないだろうか。
クルーズ船対応、各国批判 「防疫の概念ないのか」「新たな震源地」「失敗した実験」毎日新聞(