1億2000万人が大移動へ “収束ムード”中国で5連休(5/1〜5)
中国は5月1日から5連休が始まりました。感染の「収束ムード」が広がるなか、延べ1億2000万人が移動するということです。
3カ月ぶりに再開した「故宮」では感染対策のため、一日あたりの入場者が5000人に制限されます。すでに連休中はすべて事前予約で埋まっているということです。中国ではこの5連休に9000万人が国内旅行に出掛け、帰省などを合わせると約1億2000万人が移動するということです。(4/30 Yahoo Japan News)
左写真は「南京市の観光客」(ハフポスト日本版 5/1(金) 10:31)、右写真は「27日朝、約3カ月ぶりに再開された北京市内の高校。校門前では体温測定や消毒作業が行われるなど警戒態勢がとられていた」(4/27(月) 19:35産経新聞)
新型コロナで「焼け太り」の中国、次の狙いは世界経済の救世主か
国内での感染拡大抑制にめどを立てたとみる中国政府は、感染が広がる欧州などへの支援を加速させている。中国国営の新華社は23日、新型コロナウイルスの流行が世界に広がる中で、習国家主席によるトップ外交が活発になっていると報じている。
左写真は「4/4 未だ収束してないのに 安徽省の観光地、黄山に押し寄せた観光客」(note.com)、右写真は『中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は3月16日に発行された中国共産党中央委員会の機関誌「求是」に、「疫病の流行を防ぐ戦いに打ち勝つため、科学技術のサポートを提供せよ」と題する文章を寄稿した。』(ロイター/アフロ、bisiness.nikkei,com)
新華社によると、1月22日から3月21日までの間に、国連のグテーレス事務総長を含む18の国・機関のリーダーと19回の電話会談を行ったという。フランスのマクロン大統領とは1月と2月に2回行ったほか、3月16日にはイタリアのコンテ首相と、17日にはスペインのサンチェス首相とも電話で会談した。
医療物資の支援や医療専門家の派遣も目立つ。21日にはセルビアのベオグラードに中国の医療専門家6人が到着し、ブチッチ大統領が空港まで出迎えて、「肘タッチ」で歓迎した。死亡者数が中国を超えたイタリアには18日に、中国の医療専門家の第2陣が到着している。米フォーチュンは、中国の広域経済圏構想「一帯一路」を念頭に置いた「健康のシルクロード」を広げようという取り組みだと報じた。
「奴らのせいで世界中がめちゃくちゃになった。それなのに習近平は詫びの一つ言わない。それが中国人だ」
中国発祥のウィルスで世界中で人々が命を落として、仕事ができなくなって生活が破綻しそうなのです。だから、申し訳ないと思って、世界中に医療品を提供するのが普通です。
WHOに1000億ドル程度の資金提供をして、中国企業から買ってもらうのも一案です。いずれにせよ、せめて医療品がタダで届けば世界の人々の中国への怒りの気持ちは少しはや和らぎます。
それなのに 各国が医療品を求めているのをこれ幸いとして、一部製品の価格は10倍に跳ね上げて大儲けをするとは、とても人の心をもっているとは思えぬ所業です。でも、中国の業者が前払いを要求しているそうなので、罪悪感など全くないのでありましょう。
Photo by gettyimages(news.livedoor.com)、右写真は「習氏 コロナ感染者の死に哀悼!」(at-s.com)
しかし、後でとんでもないしっぺ返しが始まります。今は自国の人々の命を救うために、胸の中に湧き上がる怒りを抑えて、欧米の担当者が中国人に「酸素吸入器人工呼吸器を売ってくれ」と頼んでいるかもしれません。しかし、彼らは決してこの怒りと屈辱忘れないでしょう。
ですから、1年後か3年後かは解りませんが、中国製品のボイコットが欧米社会で始まります。そして中国からの外資の引き上げ・サプライチェーンの組直しが始まるのです。
米欧が対中批判に足並みをそろえていくとき、日本が中国にすり寄るような対応をすれば、国際的にも国内的にも、世論が怒りで沸騰するに違いないからだ。
新型コロナウイルスによって、世界は完全に変わる。感染が拡大している真っ最中に、変化の全貌を予想するのは早すぎるが、中国が世界の批判を一身に浴びるのは確実だ。まして、中国が「一帯一路」とか「中国製造2025」といった世界制覇の野望をのんきに語っていられる世界は、完全に終わった。
3月29日付の米紙ニューヨーク・タイムズは「コロナウイルスは眠れる巨人の目を覚ませた~中国の若者たちだ」と題する記事を掲載した(中国の若者たちが「経済的繁栄と引き換えに容認してきた中国共産党支配に疑問を抱き始めた」という内容である。いま本当にウイルスの脅威に震えているのは、習近平氏が率いる中国共産党なのだ。(4/3 長谷川幸洋 news.livedoor.com)
試される「独裁か民主か」
コロナ禍は「グローバル化」に疲れた世界に、国家回帰を加速させる作用をもたらしている。強権的政府が復権すると、統治システムをめぐる「民主か独裁か」というアジェンダ設定の有効性も試される。国家ガバナンスの性格を決定するのは、制度そのものより、国・地域の伝統・文化によって形成される集団意識ではないかとの見方が説得性を持つ。
3月中旬には感染拡大を食い止めた中国は、新たな「震源地」のイタリアをはじめ、分断傾向が顕在化するヨーロッパ諸国を医療支援する「マスク外交」を展開している。グローバル化の下で経済的果実を手にした中国にとって、サプライチェーンを一刻も早く再構築しなければ、経済再生はおぼつかない。
左写真は( 本当に怖いのは!) bunngeishunju. com)、右写真は( ポンペイ国務大臣、中国は驚異!」(mainichi.jp)
今回のウイルス拡大に対する中国政府の初動は、かの国の実態を改めて浮き彫りにした。早期に警鐘を鳴らした医師を、中国当局は「流言飛語を流布する者」として処分。典型的な言論統制であった。アメリカの大統領補佐官は、中国の初動対応について「隠蔽工作」と批判。すると中国外務省は「アメリカの高官に望むことは......中国に責任をなすりつけ、中国政府や国民の努力をけなすことではない」と反論した。「責任をなすりつけるなと言われても......」と思ったのはアメリカ人だけではないだろう。
左写真は「検温を受ける中国の労働者」(bisiness.nikkei.com)、右写真は「中国はコロナ教師か!医師団の海外派遣」(news.yahoo.co.jp)
これから感染のピークを迎える欧米諸国、そして日本には経済外交を展開する余力はない。世界のパワーバランスはどうみても中国に傾斜している。覇権国家と新興国家による戦争の危険性を説く「トゥキディデスの罠」がこれまで以上に現実味を帯びる。仕掛けるのは防戦側のアメリカである。
「トゥキディデスの罠」は、古代アテナイの歴史家、トゥキディデスにちなむ言葉で、戦争が不可避な状態まで従来の覇権国家と、新興の国家がぶつかり合う現象を指す。アメリカ合衆国の政治学者グレアム・アリソンが作った造語。 ウィキペディア
日米同盟基軸を掲げる日本にとって、秩序再編の主導権を握ろうとする中国とどのような距離をとるかは、コロナ前以上に難しい課題だ。だがその距離は、衰退に歯止めのかからない日本の生存がかかる。強権国家同士がぶつかり合う火花をどうさばくか。世界は経験したことのない時代に入る。(岡田充 [共同通信客員論説委員]bisinessinsider.jp)