「一帯一路」とは、2014年11月10日に中華人民共和国北京市で開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議で、習近平総書記が提唱した広域経済圏構想で、中国からユーラシア大陸を経由してヨーロッパにつながる陸路の「シルクロード経済ベルト」(一帯)と、中国沿岸部から東南アジア、南アジア、アラビア半島、アフリカ東岸を結ぶ海路の「21世期シルクロード」(一路)の二つの地域で、完了予定日 2049年のインフラストラクチャー整備、貿易促進、資金の往来を促進する計画である。英語では、Belt and Road または One Belt One Road Initiativeと記載されるため、B&Rなどと略されることもある。(Wikipedia )
シルクロード経済ベルトと21世紀海洋シルクロード
上の青色の国は、一帯一路の協力文書に署名した国々
上のオレンジ色の国ーーーー「アジアインフラ投資銀行」の加盟国
黒色ルートーーーー 「一帯(シルクロード経済ベルト)」
青色ルートーーーー 「一路(21世紀海上シルクロード)」
古くから云われている「シルクロード(絹の道)」は、中国と地中海世界の間の歴史的な交易路を指す呼称。 ただし「シルクロード」の概念は一義的ではなく、広義にはユーラシア大陸を通る東西の交通路の総称であり、具体的には北方の草原地帯のルートである草原の道、中央の乾燥地帯のルートであるオアシスの道、インド南端を通る海の道の3つのルートをいう。
その「シルクロード」の中国側起点は長安(陝西省西安市)、欧州側起点はシリアのアンティオキアとする説があるが、中国側は洛陽、欧州側はローマと見る説などもある。日本がシルクロードの東端だったとするような考え方もあり、特定の国家や組織が経営していたわけではないのであるから、そもそもどこが起点などと明確に定められる性質のものではない。 ウィキペディア
左図は、明時代の鄭和艦隊の進路で、右図は当時の「シルクロード」のルート
「アジアインフラ投資銀行」( Asian Infrastructure Investment Bank略して AIIB)とは、国際開発金融機関の一つである。 中華人民共和国が2013年秋に提唱し、主導する形で発足した。「合計の出資比率が50%以上となる10以上の国が国内手続きを終える」としていた設立協定が発効条件を満たし、2015年12月25日に発足し、2016年1月16日に開業式典を行った。本部 北京市、100カ国参加。ウィキペディア
更に説明すれば中国の国策として「一帯一路」とは、今後、数十年かけて、これらの地域に道路や港湾、発電所、パイプライン、通信設備などインフラ投資を皮切りとして、金融、製造、電子商取引、貿易、テクノロジーなど各種アウトバウンド投資を積極的に進め、当該経済圏における産業活性化および高度化を図っていくプログラムのことである。
「シルクロード経済ベルト」には三つのルートがある。(1)中国西北、東北から中央アジア、ロシアを経てヨーロッパ、バルト海に至るもの、(2)中国西北から中央アジア、西アジアを経てペルシア湾、地中海に至るもの、(3)中国西南からインドシナ半島を経てインド洋に至るものである。
また、「21世紀海上シルクロード」には二つのルートがある。(1)中国の沿海港から南シナ海を通り、マラッカ海峡を経てインド洋に至り、ヨーロッパへ延伸するもの、(2)中国の沿海港から南シナ海を通り、南太平洋へ延伸するものである。
中国は「六廊六路多国多港」という協力の枠組みを示した。
「六廊」とは、「新ユーラシア・ランドブリッジ」「中国・モンゴル・ロシア」「中国・中央アジア・西アジア」「中国・インドシナ半島」「中国・パキスタン」「バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー」の六大国際経済協力回廊をさす。
「六路」とは、鉄道、道路、海運、航空、パイプライン、情報網をさし、インフラの相互接続が主要な内容である。
「多国」とは、一群の先行協力諸国をさす。「一帯一路」沿線には数多くの国があり、中国は各国と平等に互恵協力を進めるとともに、実情にあわせてまずいくつかの国と協力し、デモンストレーション効果をねらい、「一帯一路」の理念に基づいた協力の成果を体現し、より多くの国の参加を促す。
「多港」とは、海上輸送主要ルートの安全性・円滑さを保障する若干の協力港をさす。一群の重要港湾と結節点となる都市を「一帯一路」沿線諸国と共同で建設することによって、海上協力を一段と盛んにする。
このように、「一帯一路」構想は中国主導で進められ、おもにユーラシアの途上国を対象としている。しかし、中国は、それに関心を寄せる国々と国際機関がそれぞれの方式で参加協力し、成果の恩恵をより広い地域、より多くの人々に及ぼさせることを歓迎する、と表明している。(以上 Wikipedia;kotobabank.jp[関 志雄])
「一帯一路」は、港湾、鉄道、道路、工業団地などを建設するプロジェクトで、中国政府はこれまでに900億ドル(約10兆円)を投じている他、銀行は3000億ドル(約33兆円)以上の貸し付けを行っている。参加国は、一帯一路が国内のインフラを改善する機会になると歓迎しているが、専門家らは新たな負債を負わせ、環境破壊を引き起こす恐れがある政策と指摘している。(Wikipedia; afpbb.com )
中国が主導する一帯一路構想を一言で表現するなら「リスキーな投資」である。中国共産党が口で言うほど簡単ではない。なぜなら、投資した瞬間に不良債権の山になるような政情不安定な国への投資だからである。当然、それがうまくいくかどうか全く保証はない。そもそも、「中国の債権問題」は最近再びクローズアップされている。(Wikipedia; ironna.jp)
やはり 5年目の「一帯一路」は暗礁に乗り上げているのだ!
米国トランプ政権との「貿易戦争」に絡む覇権争い!更に今回の「新型コロナウイルス」発生は、「習近平政権」に取っては致命的かも知れないーーーー!
次回「中国とは」!( 9−2 )で「一帯一路」の現状・問題点!を予定してます。
「新型コロナウイルス(COVID19)」最新情報
2月26日午前5時半の「新型コロナウイルス」感染者数(中日新聞より)
中国本土 感染者数77,150人、死者数2,592人
日本国内 感染者数850人(内クルーズ船691人)、死者数4人(内クルーズ船3人)
韓国 感染者数833人、死者数(8人)
イタリア 感染者数219人、死者数(6人)
注)中国は感染者の診断基準を二転三転させているので正確な数字は?